妊娠すると、母体の血球量が増える一方、水分量はもっと増えるため、必然的に貧血傾向になります。
多くの妊婦の方が貧血を経験しており、「貧血くらい大丈夫」と思っていては、大変なことになることも・・・。貧血で倒れておなかを打ってうまうかもしれませんし、重症になると、出産の時の出血に耐えきれなくなります。
今回は、『鉄欠乏性貧血』についてまとめました。
鉄欠乏性貧血とは?
どんな病気なの?
貧血とは、一言で言えば「血液が薄くなってしまうこと」です。妊娠すると、赤ちゃんと胎盤を成長させるためにより多くの血液が必要になり、母体の血液は鉄が不足して鉄欠乏性貧血になる確率が高まります。
症状は?
貧血の代表的な症状といえば、
・疲れやすい ・だるい ・めまい
・動悸、息切れ ・頭痛
などがありますが、鉄欠乏性貧血がひどくなると以下のような特徴的な症状があります。
・せんべいなど硬いものを大量に食べたくなる
・酸味がしみる
・舌の表面がツルツルになる
・抜け毛や枝毛が多くなる
・口内炎・口角炎になりやすくなる
・食べ物が飲み込みにくくなる
・爪がスプーン状に反り返る
なぜなるの?
妊娠中は循環血液量が増えますが、赤血球の増えるスピードが追いつかないため、血液が水っぽく薄まり、貧血状態になります。あくまで生理的変化なので、重症化しなければ大きな問題はありません。
対策方法は?
貧血を予防するには、治療も大切ですが、普段の食生活から改善して予防するのが良いでしょう。
食事療法は副作用の心配もなく、妊婦さんが毎日の生活の中でできるのでオススメです。
貧血を防ぐには、鉄分をしっかりとることが大切ですが、鉄分は体内で吸収されにくい栄養素なので、他の栄養素と一緒にとるようにしましょう。
貧血を防ぐ栄養素
【 鉄分 】
赤血球の色素成分であるヘモグロビンの原料になります。
野菜より、動物性に含まれる鉄の方が吸収率が高いです
【 たんぱく質 】
鉄の吸収を助けます。鉄と結びついてヘモグロビンを作ります。
肉・魚・大豆食品・乳製品などに多く含まれます。
【 ビタミンC 】
鉄と一緒にとると吸収されやすくなります。
緑黄色野菜や海藻類、キウイ、いちごなどの果物に多く含まれます。
【 ビタミンB6 】
たんぱく質の合成を助け、ヘモグロビンを作ります。
鮭、バナナ、ささみなどに多く含まれます
【 ビタミンB12 】
葉酸とコンビになってヘモグロビンの生成を助けます。
さんま、しじみ、ハマグリなどに多く含まれます
【 葉酸 】
ビタミンB12とのコンビでヘモグロビンの生成を助けます。
緑黄色野菜に多く含まれます。
病院ではどんな治療をするの?
鉄剤が処方されることが多いです。貧血が食事だけでは改善されない時は、鉄剤の内服薬が処方されます。
副作用が少しあり、体に合わない妊婦さんもいます。
・胃がムカムカして気持ち悪い
・便秘や下痢になる
・便が黒くなる(中身が鉄なので、問題ありません。)
飲むのが辛い場合は、無理をせず、かかりつけの医者に相談しましょう。
赤ちゃんがいる大切な体ですので、無理をせずにすごしてくださいね(^^)
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