受精・着床して間もない頃は、お母さん自身も妊娠していることに気づかず、ほとんど体の変化は感じられません。
これから、出産までの間にお母さんの体はダイナミックに変化していきます。妊娠中特有の体質の変化や、体の不調が出てくることもあるので、知っておくと安心ですよ。
今回は、妊娠中のお母さんの体の変化についてまとめました。
どうして体に変化が出るの?
体の変化のカギになるのは、以下の3つです。
・「ホルモン分泌の増加」
乳房を大きくしたり、子宮の筋肉を緩ませたりして、おなかの赤ちゃんを育てるための環境を整えます。
・「子宮の増大」
赤ちゃんの成長に伴って徐々に大きくなっていきます。子宮の大きさは妊娠前と比べると約5倍、重さは約15倍になります!子宮が大きくなることで、便秘や腰痛などの不快症状の一因になることもあります。
・「血液量の増加」
赤ちゃんに必要な栄養を送るため、妊娠前の約1、5倍に増加します。体全体の血液濃度は薄くなるので、妊娠前より多くの鉄分が必要になります。
全て、赤ちゃんをおなかの中で育てるために必要なことで、個人差はありますが全ての方に何らかの変化が出てきます。
それぞれどのような影響が出るのか詳しくお伝えしていきます(^ ^)
女性ホルモンの増加が体に与える影響は?
・乳房が大きくなる
妊娠により、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンの分泌が増え、乳房の発育が促されます。赤ちゃんが生まれてからすぐに母乳を与える必要があるので、その準備をしていきます。
・子宮の筋肉を緩ませる
妊娠を維持するhCG(ヒトじゅう毛性ゴナドトロピン)などの作用で子宮が成長していきます。黄体ホルモンが子宮の筋肉を緩ませ、子宮が大きくなることを可能にしています。
・血糖値が上がりやすくなる
ホルモンがインスリンの働きを抑えるため、妊娠前と比べると血糖値が上がりやすい状態になります。
・シミ、色素沈着が起こる
色素沈着のもととなる、メラノサイトという細胞が、卵胞ホルモンや黄体ホルモンの影響を受けて活性化します。そのため、シミや乳輪の黒ずみなど色素沈着が起こりやすくなります。
乳輪が黒くなるのはショックですが、出産後に色が戻っていくことがほとんどですよ( ´∀`)ご安心を。
子宮の増大が体に与える影響は?
・胃がむかつく
妊娠初期はつわりによって、胃のむかつきが起こりますが、妊娠後期(8〜10ヶ月頃)になると、大きくなった子宮に胃が圧迫されて、食欲が落ちたり、胃がもたれたりすることがあります。
・便秘になりやすい
黄体ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなることに加えて、大きくなった子宮に圧迫されて、さらに腸の動きが悪くなります。その結果、便秘になる方が多くいます。
・頻尿になりやすい
尿がたまる膀胱が子宮の下にあるため、子宮が重く大きくなると上から圧迫されます。循環する血液の量が増えて尿の量も増えるため、尿の回数が増えてきます。
妊娠後期には、夜中に何度もトイレで起きていた思い出があります(^_^;)トイレの我慢は禁物ですよ!
・腰痛になりやすい
黄体ホルモンの作用で骨盤の関節が緩み、ひずみを起こすことが腰痛の主な原因です。また、大きなおなかを抱えて立ったり、座ったりする動作が腰に負担をかけます。
・下半身がむくむ
むくみは塩分のとりすぎによっても起こりますが、子宮が大きくなることも要因の一つです。下半身が圧迫されて、血流が滞ることで、足がむくみがちになります。
・息切れがする
大きくなった子宮が肺の下にある横隔膜を押し上げるために、呼吸が浅くなります。少し運動をしただけでも息が切れたり、苦しくなったりすることもあります。
血液の変化が体に与える影響は?
・貧血になりやすくなる
妊娠中、血液はおなかの赤ちゃんに栄養と酸素を届ける役目を果たします。赤ちゃんを育てるのに大切な鉄分を優先的に赤ちゃんに送る必要があります。血液の水分量が増加して薄くなるので、母体の血液は鉄分不足の状態になります。
「鉄欠乏性貧血」が起こりやすくなるので注意してください。
・尿の量が増える
血液量の増加に伴い、尿の量も妊娠前に比べて増えます。膀胱が子宮に圧迫されることや、尿道の筋肉の緩みも重なり、頻尿や尿漏れなどが起こりやすくなります。
・血が固まりやすい
出産の後、胎盤が剥がれた時の出血に備えて、妊娠中は血液が固まる働きが活性化します。そのため、血栓症が起こりやすくなるので、血液循環を良くすることが大切です。いつもより水分を多めにとり、血行を良くしましょう。
体の変化には個人差がありますので、症状が現れないものもありますので、参考までに(^ ^)
妊娠中の体は大変なことも多くありますが、赤ちゃんが生まれるまでの10ヶ月の間は赤ちゃんのことを思いゆったり過ごすように心がけてくださいね。
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