切迫早産と診断されるとママはとても心配だと思いますが、きちんと検診を受け、早い段階で診断されれば治療で防げる事が多いものです。
一方、早産で赤ちゃんが生まれた場合、助かる命は増えているとはいえ、赤ちゃんに何らかのトラブルが生じるリスクは高くなります。予防できるものならしたいですよね!
今回は、切迫早産の症状や原因、赤ちゃんへに影響などについてまとめました。
切迫早産の症状は?
切迫早産とは?
切迫早産とは、妊娠22週〜37週未満に陣痛につながるような継続した下腹部の張りや痛み、出血などが見られる状態のことを言います。
『早産』の一歩手前の段階であるといえます。
切迫早産は治療によって防げる事も多い病気です。
妊婦さんの約2割が切迫早産になった事があるようで、珍しいことではありません。
【早産とは】
早産は、妊娠22週~36週で赤ちゃんが産まれることをいいます。
赤ちゃんがお腹の中でしっかり成長して、出産に適しているのは妊娠37週~41週6日の「正期産」と呼ばれる時期です。
しかし、何らかの原因で早く生まれてしまうことがあります。
切迫早産の症状は?
切迫早産の症状は主に3つあります。
出血
少量でも出血したら受診しましょう。
出血の原因は、卵膜と呼ばれる赤ちゃんを包んでいる袋がはがれ落ちることで出血をともなうことがあります。
出血があった場合は、赤ちゃんが産まれてこないように子宮収縮を抑える薬を飲んだり、抗生剤が投与されたりします。
鮮血の場合はためらわずにすぐに受診しましょう。
おりものの変化
感染症の場合は、悪臭のあるおりものが見られ、破水があれば水っぽいおりものが多量に見られます。
破水があるような場合はすぐに病院に行くようにしてください。
おりものか破水か分からない時には以下のことを確認してください。
【破水の可能性がある時】
・無色で臭いが無い
・サラサラしている
・力を入れなくても流れてくる
こういった液体が流れている時にはすぐに病院に行きましょう。
また、黄色の粘り気のあるおりものが出た場合は、お産が近く子宮口が開く準備をしているといわれているので、心配な時は病院を受診した方が良いでしょう。
下腹部の張り・痛み
規則的な張り、いつもと違う継続的な張りや痛みを感じたら受診しましょう。もしかすると陣痛で赤ちゃんが産まれてしまう可能性もあります。
30分以上強い痛みや張りが続くようならすぐに受診した方が安心です。
無理をせずに早めに受診しましょう。
切迫早産になる原因は?
切迫早産になる原因は胎児側・母体側の原因がありますが、原因は母体側にある事が多く、一番多いのはママの感染症です。
感染症になると膣の中の悪玉菌が増え、それらを退治するために白血球が増えます。それが子宮頸管の組織や卵膜も壊してしまうので、子宮口がやわらかくなって開いてしまったり、破水を起こしてしまったりします。その他にも、子宮頸管無力症なども原因の一つです。
また、高齢出産、前置胎盤、飲酒や喫煙の習慣がある場合も早産のリスクが高くなります。
切迫早産になる母体側の原因
子宮頸管無力症
子宮が収縮していないのに、子宮口が開いて破水してしまう病気です。自覚症状がないので、妊婦健診をきちんと受ける事で対処することができます。
妊娠高血圧症候群
子宮内の環境が悪くなり、子宮収縮が起こりやすくなります。日頃から急激な体重増加や塩分の取りすぎに注意しましょう。
感染症
もっとも多い原因です。細菌感染による炎症が子宮頸管や卵膜にまで達すると破水や子宮収縮が起こる事もあります。
切迫早産になる胎児側の原因
切迫早産になるのは、母体だけが原因ではないこともあります。
多胎
双子や三つ子などの多胎は、赤ちゃんが大きくなるに従い、子宮収縮が起こりやすくなります。
羊水過多・過少
羊水過多は子宮筋が引き伸ばされるため子宮収縮が起きやすく、羊水過少は、赤ちゃんの元気がなくなっていきます。
胎児機能不全
何らかの原因で低酸素状態になり、赤ちゃんの臓器の機能が低下する事で赤ちゃんの元気がなくなる状態です。
胎児奇形(胎児形態異常)
原因は様々ですが、胎児に何らかの異常があれば、子宮収縮が起こりやすいなどのトラブルが多くなる事もあります。
切迫早産が赤ちゃんに与える影響は?予防はできる?
切迫早産そのものが赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼすことはありません。
ただ、妊娠高血圧症候群や胎児機能不全など、原因そのものが赤ちゃんの成長を阻害する場合もあります。
早産で生まれた赤ちゃんは何らかのトラブルが起こりやすい状態です。未熟な状態で生まれているので免疫力が低く、感染症にかかりやすいなど、何らかのトラブルが起こりやすくなっています。
しかし、今の医療技術で小さく生まれた赤ちゃんの命も助かるようになってきています。
切迫早産の予防のためにできることは?
切迫早産にならないためにママにできることはやりましょう!
正期産の時期までは赤ちゃんはお腹の中で育つ方が良いので、その時期までお腹のなかでスクスク育てるように以下の事を行いましょう。
妊婦健診をきちんと受ける
切迫早産を早期発見・早期治療するために、定期的に妊婦健診を受けることが大前提です
局所を清潔に保つ
常識の範囲で良いですが、局所は常に清潔を保つように心がけましょう。妊娠中はおりものが多いので、おりものシートを使っている方もいると思いますが、こまめに変えることがポイントです。長い間同じものを着けていると菌が繁殖してしまいます。
排便時には、前から後ろにふく
大腸菌の感染予防に、排便時は前から後ろの順にふくことが大事です。ウォシュレットも前から後ろにかけるようにしましょう。
体の冷えを防ぐ
体が冷えると血流が悪くなり、お腹が張りやすくなります。
夏場でも靴下を履いたり、クーラーの効きすぎている場所を避けたりしましょう。
足首は出さないようにしてくださいね。
重たいものを持たない
重たいものを持つとお腹に力が入るのでお腹が張りやすくなってしまいます。
できるだけ重たいものを持たないように気をつけ、家族や周りの人にお願いするようにしてください。
切迫早産と診断されたらどんな治療をするの?
切迫早産の程度にもよりますが、自宅安静や入院するように言われることが多いです。
自宅安静の場合は、身の回りのこと以外はしないようにできるだけ横になって過ごすようにしてください。
規則的な陣痛があったり、内子宮口が開き始めている時などには入院安静し、持続的に子宮収縮を抑える点滴をすることが多いです。
医師の指示に従って行動するようにしてください。
症状が治まり、医師の許可が下りれば、いつも通りに生活してもかまいません。妊婦検診は必ず受けるようにしましょう。
まとめ
・切迫早産の1番の原因はママの感染症!
・治療することで大丈夫なことが多いので、健診は必ず行きましょう
・予防のために清潔を保ちましょう
・切迫早産そのものは赤ちゃんに悪影響はない
切迫早産と診断されても、医師の指示に従って安静に過ごしていれば治ることが多いようです。
早期発見のためにも、妊婦健診には欠かさず行きましょう!
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