出産が終わり重たかったおなかがストンと軽くなりますが、出産直後からママの体には、回復するための生理的な変化や不快な症状が起こり始めます。
この時期は、赤ちゃんと一緒に寝たり起きたりしながら無理のない生活を心がけましょう。
今回は、
・産後1ヶ月のママの体の変化
・起こりがちな不快症状
・産後1ヶ月の赤ちゃんとの生活
などについてまとめました。
産後1ヶ月の間に起こるママの体の変化
子宮が収縮する
出産直後の子宮はまだ大きく、高さもおなかあたりまでありますが、そのあと急速に収縮し始めます。
一般的に、約6週間かけて妊娠前の状態に戻っていき、これを子宮復古と言います。この時には、月経よりもやや強い痛みが起きる後陣痛を感じることもあります。
赤ちゃんに授乳することで、子宮収縮を促すホルモンが分泌されるため、後陣痛が強く感じることがあります。徐々に痛みは治ってきますので、子宮が順調に回復している証と言えるでしょう。
悪露が出る
産後は子宮収縮に伴って、『悪露(おろ)』と呼ばれるおりものが出ます。産後2〜3日は赤く粘り気があり、多めの血性分泌物が出ます。量も多いので、産褥ナプキンが必要なほどですが、次第に量が減っていきます。
1週間後には、月経2日目くらいの量になるので、生理用ナプキンを使うと良いでしょう。
透明なものになるのは産後6〜7週間後くらいです。こうした悪露の色や量の変化は、子宮回復のバロメーターになっています。
個人差はありますが、悪露の変化をまとめましたの参考にしてください。
悪露の変化 (色) (量)
1週間目 赤→茶 多い
2週間目 茶→黄 月経程度
3週間目 茶→黄 少ない
4週間目 黄→白
5週間目 黄→白
6週間目 白
会陰切開をした人は痛みを感じやすい
出産の時に会陰切開(えいんせっかい)した人は、出産数日後は縫合部に痛みを感じやすくなりますが、退院する頃には痛みも和らいでくるで心配いりません。
退院までに1回は排便しないといけないと言われる産院が多いと思いますが、傷口が気になっていきむのが怖いと感じると思いますが、傷口は開かないので大丈夫ですよ。
そのまま座ると痛むので、真ん中に穴の空いたドーナツ型の座布団やクッションを使って座ると良いでしょう。
産後に起こりやすい不快症状
乳房が張って痛くなる
産後2〜3日目から乳房に張りを感じる人が多く、熱を帯びて痛みを感じる場合もあります。母乳の分泌はまだ十分ではありませんが、赤ちゃんに頻繁に吸ってもらうことが張りの緩和には大切です。
生まれたばかりの赤ちゃんはまだ吸う力が弱く、上手に飲むことができないので、母乳の分泌が多い人は赤ちゃんに吸ってもらっても張りがおさまらないことがあります。
そのままにしておくと乳腺炎になってしまう可能性があるので、自分で搾乳したり、熱を持っている場合は保冷剤などを使って冷やすと痛みが和らぎますよ。
便秘・痔になりやすくなる
会陰切開や帝王切開の後を気にして便を我慢すると、便秘や痔になる頃があります。硬い便になるといきまないと出なくなってしまうので、やわらかく出やすい便になるように食物繊維や乳酸菌をとったり、こまめに水分補給するようにしましょう。
便秘が続くようなら早めに受診して相談しましょう。必要に応じて便秘の薬を処方してもらえることもありますよ。
マタニティブルーズになることも
産後2〜3日目から数週間内に、涙もろい・イライラする・不眠などの『マタニティブルーズ』の症状が起こることがあります。これは、ママの体の中で産後の急激なホルモンの変化が起こることによる一過性のものです。
産後1ヶ月に起こる方はよくいますので、産後にはそうなるものと思って軽く受け止めてください。産後1ヶ月を過ぎても症状が緩和されないようなら産院に相談すると良いでしょう。
産後1ヶ月の赤ちゃんとの過ごし方
赤ちゃんと一緒にママの体も休めましょう
退院後の生活は、ママの体の回復と赤ちゃんのお世話を第一に考えましょう。産後1ヶ月頃までは、数時間おきの授乳とオムツ替えに追われる毎日です。夜にまとめて寝ることはできないと思いますので、赤ちゃんが寝ている時に、ママも一緒に横になって体を休めましょう。
早い時期から家事に追われて体が疲れると、子宮の回復に影響が出ることもあります。家事は家族に頼り、頼る人がいない場合は、休息をとりながら、簡単に家事を済ませましょう。
赤ちゃんのお世話は夫婦一緒に!
産後数ヶ月は、ママの体の回復と赤ちゃんのお世話で最も周囲の助けが欲しいと感じる時期です。寝不足な上に、ずっと赤ちゃんと2人でいると誰でもストレスが溜まったり、気分転換したいと思うものです。
ママが一人で抱え込まないで、赤ちゃんのお世話は夫婦一緒に行うようにしましょう。パパは少しでもママが休める時間を作ってあげるようにしてあげてください。
沐浴をしたり、ミルクをあげたり、パパにだってできることはたくさんありますよ!
産後1ヶ月のママの過ごし方
ママの生活環境が異なりますが、産後の赤ちゃんとの過ごし方や生活についてまとめましたので参考にしてみてください。
産後1週間目(入院中)
・授乳や沐浴指導を受けながら、赤ちゃんのお世話に慣れていきましょう。
・産後の疲労が強い方は、無理をしないように入院中は新生児室に赤ちゃんを預かってもらい、入院中にしっかり体を休めせてください。
・退院はしっかり寝れなくなるので、入院中だけでもしっかり寝て体を回復させてください。
産後2週間目
・赤ちゃんと一緒に寝て起きて、授乳をするのに負担のない生活をしましょう。すぐに横になれるように布団は敷きっぱなしにしておきましょう。
・パパや家族に家事や育児を分担してもらい、無理をしないように体を休めましょう。家事などは身の回りの最低限度にしておくと負担がなくて良いでしょう。
・買い物などは家族にお願いするか、宅配を利用すると◎
産後3週間目
・家事は最低限度にとどめ、疲れたらすぐに横になりましょう。
・少しずつ体を動かし始めましょう。近所への買い物くらいなら外出もOKです。
産後4週間目
・そろそろ家事も普段通りにするようにしましょう
・赤ちゃんとの散歩ついでに近くで買い物するのも良いでしょう
・1ヶ月検診で医師の許可が出たら、徐々に妊娠前の生活に戻りましょう。OKが出れば湯船に浸かることもできます。
産後1ヶ月は、赤ちゃんのお世話に慣れ、ママの体の回復を1番に考えて過ごすようにしてください。ずっと家にいますが、テレビやケータイの画面を見ると目が疲れて回復に良くありませんので、ほどほどに。
ゆったりとした生活をして回復を早めるようにしてくださいね。